砂の流星群◎悩殺下賎女

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砂の流星群◎悩殺下賎女

ゴクゴク飲みながら朧な視界に這入る女は、貞子の様に近づくわけでもなく、周りに危なそうなボディーガードもいはしなかった。なんだ、拍子抜けするなぁと相手の色っぽい胸元にもたれ掛かりそうな頭を必死に戻し、元々弱い酒に酔いながら、多分、安心して気が弛んでいるのだと、やや汗ばむ白い胸のその丸い膨らみに視線は吸い寄せられ、もはやその小さな至福の山を登るのが当たり前の様な気になった。

目の前の軟らかそうな双峰も自分の熱く聳えた刀を待っているぞと真っ赤なドレスの女の湯気を喜んだ。煙草のケムリはこんな処にも温泉が有るのよと意思表示をする月の上の別世界を彷彿し、ニセモノには全く反応シナイでしょ?とパソコンから見せられるT姉の男みたいな化粧っけのない映りの悪い写真や作品を笑い、この顔でこんな小説書けると思う?きゃはは!と酒をまた進められ、他の写真では結構可愛く映っていたけどこのメイク上手な女の方が書きそうだとケムリの中で光る雫が結露に見えて来た。

何か飲み物に入れられたかなァとボンヤリしながらも、うっかり触った胸は柔らかく、払いのける女の仕草すら情緒的に感じる男は、ついに女の罠にかかり、ゴメンなとお詫びのお酒を頼み、真剣交際するかと電話番号を渡した。

他の日には真っ白な艶サテンの刺繍入りベルトをキュッと締め、鶯色の濃淡肩出しワンピでルーズナチュラルを演出、野良仕事好きな男の為に用意したのと白い天蓋カーテンに覆われた赤いソファに案内し、ねぇ、温室みたいでしょとぴったり寄り添い、か弱そうにしなだれながら、どうして私の絵を盗むのかしらと呟いた。

そこにはT姉の部屋から盗み出したスケッチブックが数冊置かれ、見て、これ描いた時、本当に風が強かったの〜と向ヶ丘遊園の観覧車の風吹く水彩画を指し、友人のまぁちゃんと一緒だった!と嘉布の思い出を、自分の思い出として騙りだした。

びっくりした好色な男は、知った名前が出たついでに今度三人で遊ぼうよと目を合わせ、上下違う色のプルンとした唇に目がいき、抱きついた。